中国経済の悪化が日本企業のビジネスチャンスに?
三浦さんは、中国経済がハードランディング(急激に失速)した場合でも、日本の対GDP比で考えると、その影響は0.1%にも満たないとの試算もあるため、マクロ経済の観点からは「(その影響は)そんなに大きくないのでは」と想定しています。
ただ、不動産に関連する建材や住宅設備などは、中国に進出している日本企業が作っているため、その影響は避けられず、更に個人消費にも影響が及ぶとすれば、飲食サービス業などを含めてダメージを受けやすくなる可能性もあるとのことです。
一方で、日本企業にとって悪影響だけではなく、ビジネスチャンスにつながる可能性もあると指摘します。
最近、日本の回転寿司チェーンが中国に進出し、一時、"10時間待ち"になったことが話題になりましたが、日本がデフレの経験をもとに"コスパ"の高いビジネスを展開してきたことで「逆に今の中国消費者のマインドをうまくつかんで、需要を取っていける可能性がある」と話します。
不動産不況をきっかけに曲がり角を迎えた中国経済。その動向から目が離せません。
===
<取材協力>
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員 三浦 祐介[みうら ゆうすけ]
大和証券エクイティ調査部チーフエコノミスト 末廣徹[すえひろ・とおる]
(TBS NEWS DIGオリジナルコンテンツ「経済の話で困った時にみるやつ」より)