パワハラ疑惑にゆれる兵庫県の斎藤元彦知事。6日に2回目の証人尋問が行われました。何が語られたのでしょうか?

告発者さがし 知事が指示 県は斎藤知事にどう対応した?

南波雅俊キャスター:
兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラ疑惑などを内部告発された問題をめぐり、県議会の百条委員会は知事に対する2度目の証人尋問を行いました。

【元幹部の告発 県の対応は?】
・3月中旬 元幹部が報道機関などに告発
・3月21日 斎藤知事が片山元副知事らと協議し内部調査を開始
・3月27日 斎藤知事が告発内容を否定「事実無根」「うそ八百」
・4月4日 元幹部が公益通報窓口に通報
・5月7日 公益通報として扱わず 元幹部を停職3か月の懲戒処分

まず5日の百条委員会で、『協議で“告発文書の作成者を捜そう”となったのか』という質問に対し、斎藤知事の側近、原田剛治産業労働部長は「まあそうです」と答え、『知事からの指示なんですね?』という質問には「トータルとしてはそうです」と認めました。

6日の百条委員会で、“告発者捜し”について片山安孝元副知事は「3月21日の協議で、知事が(告発文書を)持っていた。知事からは『急いで調べてくれ、誰が出したのか、どういう目的で出したのか、徹底的に調べてくれ』と言われた」と話しています。

しかし、別の職員が“第三者機関での調査”を進言したところ、「時間がかかる」と知事が否定したということです。

斎藤知事は6日の百条委員会で、どのように答えたのでしょうか。

▼告発文を見た時の対応について
「文書の内容が私自身の事実でない事が含まれていると感じた。誰がこの文書を作成したのか、なぜ作成したのかなど、事案として把握することが大事だと指示をした」と、指示をしたことは認めました。

▼第三者委員会での調査について
第三者委員会をやりましょう、そのような話はなかった。(第三者委員会で調査を)すべきだっていう風に進言された記憶はないですね」と述べ、『進言をした』と話す片山元副知事との間で証言が食い違っています。

▼公益通報に該当すると思わなかったのか?
該当するとは、今からでも思っていない。公益通報を待ってから(処分を)やるべきだという進言を受けた記憶はないです」

▼県の手続きについて問題はない?
「県として、これまで懲戒処分に関することは、弁護士それから法的にも問題ないというところで当然やってきてますから、その手続き等に瑕疵はない

東京大学 斎藤幸平准教授:
公益通報などでは告発をした側と、された側で認識が違うというのはよくあることだと思います。

しかし、今回の場合、知事は一番やってはいけない“通報者さがし”をしたり、疑惑を向けらると怒り、相手を「誹謗中傷だ」と批判しました。

本来設置すべき第三者委員会を設置せず、いきなり懲戒処分にして、その結果、告発した元幹部は亡くなってしまいましたので、やはり問題視されて当然だと考えます。

日比麻音子キャスター:
調査を進めていくと、知事、側近らを含めてかなり強い存在感を持っていたように感じられます。この関係性や組織についてはどうでしょうか。

東京大学 斎藤幸平准教授:
これまでは改革派として市民の支持を得てきたと思います。しかし、今回は知事と側近たちが「自分たちは正義だ」と暴走し、知事の意向ばかりが反映されるようになり、結果として県民のための政治には繋がっていない印象を受けます。