「死にたい気持ちと、死んではいけない気持ちの繰り返し」
5月15日。初公判から1か月後が経ったこの日、元クラス担任の被告人質問が行われた。証言台に立ち、終始うつむき加減で、小さな声で言葉を発した。
弁護側
「どういう気持ちで、日々過ごしていますか」
元クラス担任
「私の責任で取り返しのつかないことをしてしまいました。死にたい気持ちと、死んではいけない気持ちの繰り返しで、ちゃんと向き合っていかなければいけない気持ちで過ごしています」
弁護人の質問のあと、千奈ちゃんの父親からの尋問が続く。

千奈ちゃんの父親
「千奈がバスの中で1人でどうすることもできなく、亡くなった気持ちが分かりますか」
元クラス担任
「はい」
千奈ちゃんの父親
「そのとき、千奈は、どのような気持ちだったかわかりますか」
元クラス担任
「『なんでバスの中に自分だけいるの、先生が来てくれないの、降ろしてくれないの』と思っていたと思います。ご両親のことを思い浮かべて、助けを求めていたと思います」
千奈ちゃんの父親
「正直に答えてください。バスから降ろし忘れていた乗務員と園長が1番の原因だと思っていませんか」
元クラス担任
「前の年にあった(福岡・男児置き去り死)事件もあったにも関わらず、私が連絡しなかったことで起きたと思っています」
千奈ちゃんがいないことに気づいていた元クラス担任。欠席だと思い込んだ上、業務の忙しさもあって、両親に確認しなかったと答えた。
千奈ちゃんの父親
「あなたしか置き去りにされた千奈を助けられる人はいませんでした。あなたの責任は重いと思っていますが、どうですか」
元クラス担任
「私の責任であると思っているので、重いと思っています」
6月13日、第3回公判。千奈ちゃんの両親の意見陳述が行われた。両親は、ついたて越しに、元理事長と元クラス担任に向けて語りかけた。