津波で家族全員を失った倉堀さんは地域の住民が施設に集まる機会を積極的に設ける中で、次の災害への備えの大切さを強く訴え続けています。

(倉堀康さん)
「自分の家族を亡くしたというのがいちばん大きい。だからこそ伝承と防災というのは、かけ離すのは自分の中ではできなかったです」

一方で、岩手大学の麦倉哲名誉教授は遺族を孤立させない取り組みも大切だと話します。

(麦倉哲名誉教授)
「倉堀さんのようにひとりぼっちになってしまった人は気の毒だではなくて、彼の周りにいろんな人が集まってくる、別の形の絆が生まれて、それが維持されて。そういったものをずっと続けたい」

東日本大震災から13年半が経とうとするなか、大槌町では次の災害に備え震災遺構に頼らない新たな災害伝承を模索する取り組みが続いています。