旧役場庁舎は「保存」か「解体」かで町を二分する議論の末に2019年に解体されました。
福祉課に勤めていた兄・健さんを亡くした倉堀さんは「建物が無くても震災の伝承はできる」として解体に賛成の考えを示しました。

(倉堀康さん)
「見たくないから壊せ、と言ってたわけじゃないから俺は。ただ、確実に記憶の風化が進むのは目に見えて分かっていたけど、震災伝承するには今生きている人間が元気じゃないと後世には伝えられない。これ(旧庁舎)を無理して残してまで今いる人間が元気じゃなくなるのは腑に落ちなかったから」

伝承施設の立ち上げは震災遺構に頼らない伝承のあり方を模索する中でたどり着いたひとつの結論でもありました。