被告が男に「告げ口」していた
検察側が証拠として示した一つが、見守りカメラに収められた「犯行時の映像」でした。
2021年9月のある朝に撮影された映像には、だだをこねる娘に対して、被告が「夜、知らんよ。ええんじゃな」と発言する様子が映っていました。
また別の夜には、だだをこねる娘に対し「あさ、●●くん(交際相手の男)が来るよ」と発言。
検察によりますと、これらの発言の後に、男が虐待行為を行っていたといいます。つまり被告は娘の言動を「告げ口」していたというのです。
さらに映像には、娘に対し「昨日言いました。鍋に立ってください」と、男と同様の指示をしている場面もありました。
こうした記録から「男と意思を通じ合い、虐待に及んでいた」と主張したのです。
また検察側は「別れを示唆したりすれば、虐待は容易に制止できた」とも訴えました。根拠にしたのは、娘の6歳の誕生日に撮影されていた、家の中の映像です。
映像には、被告が「誕生日まで(虐待行為を)するんだ」と言ったことで、口論になった様子が映っていました。
この際、被告は男に対し、
「めんどくせえ」
「一緒におらん方がええじゃん」
「何も発しません、貝になります」
などと別れを示唆したり、怒号をあげて反抗していたといいます。その結果、男はさらなる虐待行為には及ばなかったというのです。
検察側は、被告は男と対等にやりあっているとして、「おかしな心理状態にあったとは到底言えない」としました。
翌日、6歳を迎えたばかりの娘は全身を布団に巻かれ、窒息。以降、意識が戻らず短か過ぎる生涯を終えます。
