――アメリカの大統領選も控えているが、相場への影響はどうなるか。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
最近のニュースだと、ケネディジュニア、ケネディ元大統領の甥っ子がトランプ支持に回った。元々民主党の人がトランプ側についたというのが個人的にはサプライズだったが。
エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
そこまで影響しないのでは。多分ハリス氏に、閣僚として入れてくれと言って先に断られたのでトランプ氏の方に行った。
そこまで影響しないというのは、アメリカの選挙は票がほぼほぼ固まっているからで、本当に票が動いているのは少ししかない。アメリカの選挙制度からすると、ほとんどの州で選挙をやっても無意味。カリフォルニアは確実に民主党が勝つし、テキサスは確実に共和党が勝つ。
株価に関しては、トランプ氏が大統領になった方が上がる。減税をやると言っているし、インフレが再燃するので、そうなれば株が上がる。ハリス氏が言っていることは結局法人と富裕層への増税。それが実際通るかどうかだが、おそらく通らないと思う。ただ相場としてどちらを好むかと言えばトランプ氏だろう。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
トランプ氏が大統領になったら僕もまたインフレになると思う。
インフレになると株価上がるのかもしれないが、またFRBが利上げしなきゃという話になると厄介では。
エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
トランプ氏は利上げをさせない。利上げなんかしたら、SNSですごく叩くだろうし、FRB議長をクビにする。
私達に関係しているのは、相場にどんな影響を与えるか。あとは、日本の外交や貿易にどう影響するかというところ。一つはトランプ氏が当選した場合、追加関税を日本に対しても置くというのが懸念される。
日本にはトランプ氏とやり合えるぐらいの交渉力がある強いキャラクターが今いない。
トランプ氏は何かをやったら、代わりに何かをくれという考え方。そういう意味では本当にやりやすい人。
――今後、個人投資家はどう投資していくのが良いか。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
長期投資、積立投資は何も難しく考えずに淡々と機械的に続けるっていうのが一番いい。
短い視点での投資であれば、これからはグロース相場になる。バリューグロースっていう割安株が買われる金利上昇、円安の時代は終わった。これからは金利低下になっていくので、より企業業績や、景気が重視されやすくなるグロース、その中でもクオリティの良い、物の売れ行きが良さそうな、値引きしなくても済むようなところ、そういったいわゆるクオリティグロースが優位になると思っている。
エコノミスト・為替ストラテジスト エミン・ユルマズ氏:
NISAで積み立てをやっている人たちは全く動じる必要はない。
全く気にする必要もなく、日本株でも外国株でも普通に淡々と積み立てていけばいい。
アクティブにやっている人は、この秋はもう一波乱あると思っている。8月のように、大きく下がったところはチャンスだが、アメリカの大統領選挙の行方もわからないし、地政学的な動きも読めないことを考えると、まだ目先ボラティリティはあるのではないか。
次、下がった時には簡単に反発しないからこの秋は少し懸念している。
来年になって、アメリカの大統領も決まって日本の総理大臣も決まって、新たなスタートになって2025年の2月、3月ぐらいが株価としては底値だという気はする。
あとは下げるだろうか、上げるだろうかっていうと短期的なテーマ。目先のテーマとして強いものがある。最近で言うと例えばエネルギー関連とか。この辺りは別にいつピックしてもいいので、目先は少し警戒しながら、ものすごく割安なものというのはいつ買っても、基本的にはいい。