新たな挑戦が生んだ「例のない」相乗効果

今から46年前、1978年に発売された「たべっ子どうぶつ」。
まだ海外旅行も珍しかった時代に、動物の名前を英語で記した“学べるビスケット”を生んだのは、創業94年の老舗『ギンビス』です。

「真似をされても、真似をするな」をモットーに、最初に大ヒットしたのが1968年発売の「アスパラガス」。丸や四角の薄型クッキーが主流の時代に、スティック型のお菓子は画期的でした。

2003年には日本では他社に先駆けて「含浸製法(がんしんせいほう)」を取り入れ、チョコをしみこませて焼いた「しみチョココーン」を発売するなど、挑戦を続けてきました。

そして新たな挑戦として3代目社長が始めたのがキャラクタービジネス。きっかけは、コロナ禍に無人販売で急増したカプセルトイでした。

『ギンビス』宮本周治社長:
「令和時代に大人が多いので、上の世代にも楽しんでいただけることは何かないかなと思いまして」

たべっ子どうぶつのイラストが立体フィギュアになって出てきたら楽しいのでは…と作ってみたら人気爆発!これがバイヤーの目にとまり、コンビニにも商品が陳列され「グッズで知ってお菓子を買う」という人が増えたといいます。

こうした相乗効果について、日本のキャラクタービジネスを調査している専門家は…

『キャラクター・データバンク』陸川和男社長:
「珍しい例。いわゆるお菓子メーカーがキャラクタービジネスで成功している例は多くはない」

キャラクターが売れたらお菓子にするのが一般的ですが、ギンビスはグッズ展開も成功。たくさんの種類から、「推し」を選べるのもヒットするポイントだといいます。