熱帯化する日本 増える「ゲリラ雷雨」「迷走台風」
予想が難しく、しかもゆっくりとした速度で日本へと上陸した台風10号。立花教授は、日本に近づくにつれて発達のピークを迎えて迷走する台風は、今後は増えるだろうと考えています。

三重大学大学院 立花義裕教授(気象学)
「台風10号を含めた今年の台風の特色は、日本に近づくにつれて強まってると、それともう一つはゆっくり動く、そして迷走のような変な動きをする。この3点セットが整った台風がこれからの時代は増えると思いますね。
その理由は一つ目には、日本近海の海面水温が熱帯並みに高いので、普通は日本に近づくにつれ水温は低いから弱まってくる。ところが日本に上陸、あるいは近づく直前までどんどん強まる。これは今までにない傾向で、まさに熱帯化だと思います。
もう1つはゆっくり動く、あるいは迷走する。この理由は、偏西風がはるか北の方に行ってしまっている。普通は偏西風に近づくにつれてそれに流されるような、新幹線の乗ってバーって行ってしまうようなイメージなんですけども、偏西風が遠いので、なかなか乗れない。というわけで迷走あるいはノロノロなわけですね。
ノロノロ動けばより多くの水蒸気をもらえるので、より発達する。まさにノロノロ動く・迷走するというのは熱帯の台風の特色。これはもうまさに日本が熱帯化してると言ってもおかしくないというふうに思います。」
「関東はご存知の通り、非常に広い平野。そういう場所は雷雨が起きやすい場所なんですが、さらに関東は南と東が海で、今年の海は非常に東も南もどっちも海面水温が高い。ですから海風がめちゃくちゃ湿っていて暖かい。
関東も猛暑なので地面温度が上がって水蒸気が多かったら、発達した積乱雲ができるための条件がばっちり整ってる。そういう状況でちょっとした寒気が上空に来れば、激しい積乱雲が起きますから関東がものすごいゲリラ雷雨が起こって、交通機関に乱れが起こったのはある意味で必然だと思います。温暖化の原因が関東の激しい雷雨を引き起こしていると思う。
温暖化に伴う現象でほぼ説明できる。つまり全部関連してるというわけです。ですから『降れば豪雨』『晴れれば猛暑』、日本ふきはそう極端化している。昔の普通はもうないと思ってもいいじゃないかと思いますね。」