■「札幌に地下鉄、熊でも乗せるつもり?」反対を押し切った名言とは

「ゼンコ(お金)さえ払えば熊でも乗せる」

こちら1971年に開業した札幌市営地下鉄建設時に交わされた言葉です。札幌市交通局の局長が地下鉄の建設に向けて国と交渉を行ったんですが、とても困難な道のりだったそうです。

当時、札幌市の人口は約80万人でした。実は人口100万人以下の都市に地下鉄建設の前例がなかったそうで、国から反対されていました。国が計画の見直しを求めたときに、こんな言葉がありました。



「そんなところに地下鉄を走らせて、熊を乗せるつもりですか?」

それに対し札幌市交通局局長が「ゼンコ(お金)さえ払えば熊でも乗せてやりますよ」と、熱意たっぷりの返しをしたわけです。その後、この局長の熱意や、札幌冬季オリンピックなどが追い風となって1968年に地下鉄建設の許可が下り、1971年に開業となりました。

札幌市出身者
「大雪のときは徒歩だとつらいし、車での移動も渋滞がひどい。地下鉄は生活に欠かせない存在」

井上キャスター:
局長かっこいいですね。昇進されてるかしら。かっこいい。

■「UFOうどん作って」→「末代までの恥だ」 石川・羽咋市

「末代までの恥だ」

こんな言葉も飛び出したのは石川県羽咋市です。1980年代後半、人口約2.8万人、高齢化率14.2%の高齢化が進んでいる町でした。町おこしが必要だと動いたのが、元臨時職員の高野誠鮮さんです。地元の古文書を読んでいたところ、「麦わら帽子のようなものが飛んでいた」という一文を発見しました。

怪しい飛行物体か!と思った高野さん。UFOで町おこしを思いつきました。

「UFOうどんを作って」と地元のうどん屋さんにお願いしたら、うどん店の方に「のれんに傷がつく。末代までの恥だ」と言われるやりとりがありました。渋々うどん店の方が作ってみたところ、月に600杯も売れる大ヒットとなりました。

ホランキャスター:
UFOうどんって、どんな“うどん”なんですか?

上村キャスター:
三角形の油揚げの下に、なるとを置いて、UFOのような形にしたうどんです。このうどんが大ヒットしたことで、UFOラーメンやUFOお好み焼きなど、真似るお店が増えて、町おこしとなりました。

続いて1990年、「宇宙とUFO国際シンポジウム」を開催しました。アメリカから元宇宙飛行士の方なども呼んだシンポジウムで、9日間で5万人も集まりました。

この大盛況を受けて高野さんが国に直談判したのが、1996年の宇宙科学博物館の建設です。その名も「コスモアイル羽咋」。予算52億円をかけて立派な博物館を作りました。

アメリカなどとも交渉して、アポロの月に着陸した船も展示されています。コロナ前の年間入場者は2019年度約7万人。この町自体の人口は約3万人弱。たくさんの人が来るようになったということです。

井上キャスター:
もちろん多くの失敗例がある中の成功例だとは思いますけれど、中途半端は良くないということですか?

秋元代表:
自治体と民間企業では違うと思いますが、大体新しいことって、9割方失敗したり批判を言われたりします。大きくなるものは最初批判されることがほとんどで、それこそFacebookとかもそうですけど、「批判される方が最初はいい」と私たちはよく言われます。みんなに称賛されるアイデアは、無難に行くけど、そこまで大きくは伸びない。あとは熱量で通すみたいな人が中にいないと難しいのかなとは思います。私も最初、ホリエモンさんとかにプレゼンしたときに、バチバチに詰められました(笑)