■出先で震災に遭ったとき…「一時滞在施設」への避難を

では、移動中や出かけた先で地震が起きた時はどうすればいいのでしょうか。

JR東日本では山手線内の30以上の駅で構内の広いスペースを開放し、運行再開などまでの間、滞在できるようになっています。東京・港区の六本木ヒルズ森タワーでは…

森ビル災害対策室事務局 細田隆事務局長
「“逃げ込める街”というのを標榜にしてまして、災害時に近隣にいらっしゃって困った方々に逃げ込んでいただいて一時的な防災拠点にしていこうと」

普段は店舗やオフィスなどが入る複合ビルですが、震災時には帰宅困難者5000人を受け入れられる「一時滞在施設」になります。

ビル内には72時間過ごすための食料を10万食分備蓄。さらに…

森ビル災害対策室事務局 細田隆 事務局長  
「エアマットを(帰宅困難者に)3つお渡しして床に置いていただいて、例えば日中でしたら座っていただく。夜間ですと、これを3枚敷き詰めてこちらで横になってお休みいただく」東京都の推計では、震災時に生じる帰宅困難者はおよそ453万人で、このうち66万人は学校や職場以外で地震に遭うと想定しています。ただし、現状ではおよそ20万人分の「一時滞在施設」が不足しているため、東京都などが問題の解決を急いでいます。

■大切な誰かの命を守るために…求められる“家族を迎えに行かない勇気”

そして、命を救うためにもうひとつ大切なことは…「家族を迎えに行かない勇気」です。

昭和小学校 生活安全部長 奈木野昌一さん
「ご家族の方が我が子の安否をとにかく知りたいということで、無理して学校に迎えに来ることがあるんですけれども、それは何とか避けていただきたい」

昭和小学校では、地震発生から1週間は児童が学校に寝泊まりできるように全児童分の食料や水、各家庭で購入した寝袋を用意しています。保護者には、安否確認メールやSNSを使って子供たちの居場所を発信。また、子供たちの不安を軽減するため、小学1・2年生の時に学校で寝泊まりする体験などの訓練も行っています。昭和小学校 生活安全部長 奈木野昌一さん
「学校で1週間は絶対大丈夫ですから、建物も壊れないので安心して学校に任せてください」

自分はもちろん、他の誰かの大切な命を守るために。「帰らない」「迎えにいかない」勇気が求められています。