“ゆっくり”台風10号 九州各地で被害 雨・風止んでも停電続く
九州上陸後も台風10号の移動スピードはゆっくりのまま。各地に記録的な雨を降らせています。

午後9時までの48時間降水量は宮崎県えびの市で814ミリ、東臼杵郡神門では794.5ミリで8月1位の値を更新し、大分県佐伯市では観測史上最大となる581.0ミリを記録しました

大分県では河川が氾濫し、緊急安全確保が発表されました。大分市ではアパートの目の前まで水が…
住民
「こうなったのは初めて。何十年も住んでるけど。怖いですね。気をつけんと」
こちらの一軒家も、今にも水に浸かりそうです。
住民
「(水に)浸からない対策で過去から学んで(家の高さを)上げたが、それでも今までの中では一番ひどい。(水に)浸かる覚悟」
このあと、関西や関東にも接近するおそれがある台風10号。九州各地では複数のけが人や住宅被害が出ています。
鹿児島市の港では28日、係留中の船が沈み、64歳の男性船長が今も行方不明です。

枕崎市では29日未明に最大瞬間風速51.5メートルを観測。鹿児島市内でも38.8メートルを記録し、県内では風による転倒などで、少なくとも25人がけがをしています。

宮崎市内では強風で何台もの車が横転したり逆さまになったり…。大切な住まいや建物にも大きな被害が出ています。
一体、何が飛んできたのか。市内では住宅の雨戸が大きくへこんでいました。

こちらのアパートは電柱が直撃。窓ガラスが割れてなくなり、外壁も傷だらけです。
住民
「たまたま(直撃した部屋で)寝ていなくて。寝ていたら大惨事ですね」
観光客は自宅に帰れない状況が続いています。
東京からの観光客
「明日には帰らないといけないんですけど。どうしましょう、帰れないですね」

どこへも行けないのか、港の草むらにはたくさんの鳥たちが。強風が吹き荒れるなか、海の方を向いてじっとしています。
雨や風がおさまった後も台風の影響は続いています。

記者
「午後7時すぎの鹿児島市内ですが、住宅街は停電しています。あたりいったい停電しており、外からは明かりがついているのが見えません」
住民
「車の方が(エアコンで)涼しいんで。(不安なのは)夜ですよね。暑いし。もしかしたら車中泊かな。(Q.夕食の準備は?)まだです。お風呂にも入っていない。お風呂も電気が…」