
札幌市豊平区にある、産婦人科です。
福住産科婦人科クリニック 保坂昌芳医師
「白血病になった人が身近で3人くらいいたので協力できたらなと」
このクリニックでは、妊娠28週を迎えたお母さんに対し、助産師が「さい帯血」移植について説明しています。
2023年、460人ほどが出産し、その半数がドナーになりました。
福住産科婦人科クリニック 保坂昌芳医師
「(胎盤が)はがれちゃうともうとれないからそれまでの間、5分10分くらい、母数が増えれば血液がとれる確率も高くなるので(ドナーが)増えたらいい」
北海道内で採取されたさい帯血は、血液を処理し保管するバンクの1つ「北海道ブロック血液センター」に集められます。
公式な「さい帯血バンク」は、現在日本にわずか6か所。
北海道内でさい帯血を採取できる施設は、札幌市と石狩市、旭川市の14か所です。
採取したさい帯血は、36時間以内に処理をし凍らせる必要があります。
安全な形で患者に届けるため、すべてのさい帯血が採用されるわけではありません。
重さは、このパックで110グラム以上あることが条件です。
北海道ブロック血液センター 内藤友紀薬剤師
「4割くらいのさい帯血がここの重量のところで残念ながら廃棄」

次は、さい帯血に含まれる細胞数が充分であるか、くりかえし確認します。
北海道ブロック血液センター 内藤友紀薬剤師
「(この工程までで)全体の2割程度になる」
無菌室で細胞の膜を守る保護液を入れるなどし、液体窒素の中で保管されます。保管期間は10年間。
このセンターからは、年間120程度の「さい帯血」が全国各地の患者に届けられます。

国内で行われている造血幹細胞移植は、近年骨髄よりさい帯血による数が上回っています。
しかし、いま保管されている「さい帯血」の数は、最低目標の1万件に届いていません。