49年間、営業を続けてきたこちらのお店。開店当時は珍しかったドリアやグラタンが看板メニューです。

(客)「夫が子どもの頃から来ているので、懐かしくてたまに来たり」

(客)「(閉店は)けっこう寂しくて…夏休み中にもっといっぱい来たかった」

店の代表、山川拓郎さん(51)です。4年前、この店を引き継ぎました。

(山川拓郎代表)「グラタンそのものが僕好きですし、小さい頃からご馳走といえばグラタンという時代だった」

前の店主、重信信義さんです。49年前、ダイエーのオープンに合わせて会社員を辞め、店を立ち上げました。4年前、77歳のときに体力の不安もあって閉店を決めました。

店の向い側でオムライスの店を経営している山川さん。店を閉めると聞き、重信さんに声をかけました。

(山川拓郎代表)「このまま(店を)なくすのはもったいない。『ぜひ僕にやらせてください』と直談判して譲っていただいた」

コロナ禍で大変なとき、店に食べに来て励ましてくれたという重信さん。閉店を見届けることなく、今年2月に81歳で亡くなりました。

山川さんは閉店後の今年の秋に、2つの店のメニューが味わえる店を鹿児島市の騎射場にオープンする予定です。

(山川拓郎代表)「ずっと客に愛されてきた両店なので、味を変えることなく、『何年たって食べに来ても変わらない味』と言われるような店を作っていきたい」