60歳 炭水化物の代謝に大きな変化

 次に、60歳前後では、炭水化物の代謝に大きな変化が表れるということです。炭水化物を摂取すると、それを体内で燃やすときに活性酸素が増えます。活性酸素が増えると、「酸化ストレス」が発生します。この酸化ストレスは、酸化反応により引き起こされる体への有害な反応のことだということです。その結果、細胞の老化が促進されます。また、免疫力にも影響が出ます。酸化ストレスは免疫細胞も刺激し、免疫力が下がるため、感染症のリスクが高まるということです。

 白澤院長によりますと、現代社会は炭水化物が多すぎるということです。朝に食パンや白ご飯、昼はラーメンやパスタ、夜にも白ご飯を食べるという生活の人は、朝はサラダと卵にして炭水化物は我慢するなど、どこか一つ炭水化物をなくしてみてもいいかもしれません。

 運動量の違いなどもあるため人によりますが、全体的に炭水化物が多い人はそれぞれの体のバランスを考えて少なくしてみてはいかがでしょうか。機会があれば栄養士や主治医に相談してみるのもいいでしょう。

 ただ、白澤院長は今回のデータの“限界”というのもあると強調しています。これはあくまでもカリフォルニアのデータで、人種構成も肥満度も日本とは違うため、同じ研究をぜひ日本でもやってほしいと話していました。また、調査の対象は25~75歳ですが、老化の加速度にもっと大きな差が出てくるのは70歳・80歳・90歳になった頃だと指摘しています。目安として44歳や60歳で、脂質・アルコール・炭水化物などの量を立ち止まって考えてほしいということです。