“憤る”富山のホイッスルブロワー

今から50年前に運輸業界の違法な闇カルテルを告発し、約30年にわたって会社側から「報復人事」を受けた富山県高岡市の串岡弘昭(77)さんです。串岡さんは、兵庫県の元幹部の「公益通報」を巡る問題について「あってはならないこと」と憤りを隠しません。

串岡弘昭さん:「死をもってしても自分が真実なんだということを訴えざるを得ないようにまで追い詰めている知事、そして、知事の周りにいる人たちも大きな問題がある」

串岡弘昭さん:「公益通報かどうかは知事が決めることじゃない。公益通報はまだまだ組織を守るだけにしか機能していない。現在の法律は甚だ不十分なものですから、(告発した)本人を救う場にもなってない。それは同時に公益通報なんて行うべきじゃないということにしか働かない」

「私は30年間一切昇格もなく、草刈りとか雑用だけをさせられる立場になったものですから」と話す串岡さん。

串岡さんは、2002年、内部告発をしたことで不当な扱いを受けたとして当時勤務していたトナミ運輸を相手に損害賠償などを求めて提訴。

裁判では「内部告発は公益性があり法的な保護に値する」と告発の正当性が認められ、会社による不当な扱いは「報復人事である」と認定されました。2006年、串岡さんと会社側の和解が成立しています。

串岡さんは、兵庫県の「公益通報」について、報道機関などに告発した人物が元幹部と特定され、停職3か月の処分を受けたことを特に問題視しています。

串岡弘昭さん:「通報を受け付けた窓口の人は通報者の氏名を明らかにしたり、伝えてはいけない。告発者がばれる恐れがあれば、不正や違法を訴える人は恐くてできなくなってしまう」