「東からの風」と「南からの風」が集まり雨雲をより発達させたか
藤森キャスター:
明るくなっていろいろ見えてくるものがあると思います。ゲリラ雷雨の後にはこういう現象が起きるということを頭の片隅に入れていただきたいと思います。続いては、國本未華気象予報士の解説です。例えば台風の情報が事前に分かっていれば備えもできるかもしれませんが、急な雨でああいう現象がいろいろ起きるんですね。

國本未華 気象予報士:
1時間ほどの出来事であそこまでになるというのは、ちょっとあまりないですよね。渋谷は落ち着きを取り戻してはいるんですが、気温に注目すると25℃台ということで、20日より2℃くらい低くなっています。これがまさに雨で気温が下がったということで、雨の激しさを物語っているんです。
21日の雨を振り返ると、非常に急でした。午後3時ごろにはほとんど何もなかった状態なんですが、急に雨雲が湧いてきました。北から流れてくるような雨雲ではなく、都心上空で湧いて、しかもとどまるという状況だったんです。
積乱雲の高さとしても14キロぐらいはある背の高い積乱雲で、猛烈な雨が降ったということになります。東からの風と南からの風、この2つの風がちょうど集まって、雨雲をより発達させたというのが原因の一つになります。

さらに雷雨が連日あったりもして、特に今年の特徴ではあるんですが、空気中の水蒸気の量が非常に多いんです。水蒸気が多いところが白く出ている「水蒸気画像」というものを見てみると、熱帯低気圧があるようなところはより白いんですが、関東周辺もより白いのが分かります。さらにこの周辺の海面水温も高いですし、上空の風も弱いということで、一旦積乱雲ができてもなかなか動かないんです。その分、雨量が短時間でかさんでいってしまうということが原因に挙げられます。