現役を引退した今もなお、野球界に新たな風を吹き込んでいる。それは、高校生への指導。これまで4校を訪れ、球児たちと向き合ってきた。彼らに抱く、思いとは―。
イチローさん:
一緒に練習した2日なり3日なりを、きっとこの先も持って行ってくれるんじゃないかなって。どこかで思い出して「あの時イチローこうやって言ってたな」「こういうことか」とかっていうことがあるような気がするんですよ。それぞれの解釈で何か答えを自分なりに導いて、あの時間を思い出してくれる、それって良いなと思います。
イチローさんの目は、女子野球の未来にも向けられている。2021年12月には、所属する草野球チーム「KOBE CHIBEN」が高校野球女子選抜との試合を実施。先発のマウンドに上がったイチローさんは、手加減なしの真っ向勝負を挑んだ。

イチローさん:
女子の野球熱ってすごく高まっていると思うんですよね。光が当たる舞台があったらもっともっと盛り上がるんじゃないかっていう、彼女たちのレベルが上がるかもしれないっていう期待もそこにあった。
大きな期待を胸に、今年11月3日、再び高校野球女子選抜と対戦する。舞台は有観客の東京ドーム。360°から歓声を浴びた思い出の場所に、再び立つ瞬間を、イチローさんはどんな心境で迎えるのか。
イチローさん:
全然分からないですね。でも野球のユニフォームを着て東京ドームに立つ。新しいスタートを切った証っていうかね。そんな気持ちになるんじゃないでしょうか。