幹部は「旧統一教会が運営に関わっているのではないか」という質問には答えなかった。この改憲集会を見ていた元2世信者の男性に話を聞くことができた。

元2世信者
「ここですね。この集会の中で統一教会の信者が動員されていた。私はその場にいました」
元2世信者は、親が献金を続けていたことに苦しめられ、教団から離れた後も『教団と政治家との関係』を調べている。

――(岸田総理が)説明責任は果たしたと思われますか?
元2世信者
「果たしていませんね。岸田首相ご自身の統一教会との関わりの報道も出ましたけど、それに対して、しっかりとした説明はありませんでした」
岸田総理については、過去に自民党本部でUPFジャパンの梶栗正義議長と一緒に写った写真が2023年12月に明るみに出るなど、教団とのかかわりが指摘されていた。

さらに2024年2月、解散命令請求に関わる盛山正仁文科大臣が、教団側と、事実上の「政策協定」にあたる「推薦確認書」に署名していたことが明らかになった。しかし、岸田総理は、盛山氏を更迭しなかった。
元2世信者は、今回の岸田総理の退陣について…
元2世信者
「私は逃げたと思っています。これでは何も解決されないし、辞めることで責任を取ったと言われるのは、政治家だけだと思います。
追及されれば、表では新しい法律を作ったり、声明を出してみたり、姿・形だけ見せてきたんですけど、実効性のある動きっていうのは全く見られなかったと思います」
特に、元2世信者が憤っているのは、被害者救済を目的として作られた法律の“不十分さ”だ。

信者の家族が、教団に返金を求める際のハードルは高く、『今も熱心な信者である両親が行った献金』を取り戻すことはできていないという。
元2世信者
「家族の取消権であったり、そのような物が一切認められなかったので。私のお金は奪われて献金されてしまったようなものです。大学にも行けませんでした。子どもの金に手をつけて献金している、その本人たちが返金要求するって、とても難しいです。
政治と宗教の問題というのが、まだ何も解決されていない。なので、自民党のまま、この政権を続けていくのかどうかというのが、国民に対して問われるべき。統一教会との問題というのは、自民党全体の議員が関わってきた“構造的な問題”でもあると思います」