9月27日に行われる安倍元総理の「国葬」の経費について、政府は、今年度予算の予備費から約2億5千万円を支出することを閣議決定しました。主に会場の設営費などで、この中には、周辺の警備費用は含まれていません。「国葬」にかかる総額はさらに膨らむとみられています。

■国葬費2億4940万円は“税金”から支出 警備費は含まれず


1967年、日本武道館で吉田茂元総理の国葬が営まれました。
この時から55年ぶりとなる9月27日、同じ日本武道館で安倍元総理の国葬が予定されています。

松野博一官房長官:
「故安倍晋三国葬儀に必要な経費について令和4年度一般会計予備費の使用を決定した」

閣議決定された国葬の費用は、2億4940万円。自然災害など不測の事態に備えた予算で使い道については閣議で決められる「予備費」、つまり“税金”から支出されます。

内訳については、会場設営などに約2億1千万円、会場である日本武道館やバスの借り上げなどに約3千万円がかかるということです。



2020年にコロナ禍で行われた中曽根元総理の合同葬では、約1億9千万円の経費のうち、半分の約9600万円を予備費から支出。

松野官房長官:
「中曽根元総理の合同葬の参列者数は約600人だったが、今般の国葬儀は約10倍の最大で6000人程度の規模を見込んでおり、約5700万円の増加が必要となったものであります」



安倍元総理の銃撃事件を受け、要人警備の強化が喫緊の課題ですが、今回の国葬で会場周辺の警備費用については、2億5千万円のなかに含まれていません。

内閣府は「現時点で費用の全体像を公表する予定はない」としています。

■55年前の国葬では自粛ムードに 世論調査では「反対」が上回る



55年前の吉田茂元総理の国葬では、政府が各省庁に午後からの休業や弔旗の掲揚などを通達。街も自粛ムードとなり、国民は、至る所で1分間の黙祷を捧げました。今回の国葬では、弔意表明の閣議了解は、行わないということです。

JNNの世論調査(8月実施)で、安倍元総理の国葬については、反対(45%)が賛成(42%)を上回っており、政府は、引き続き、国民に理解を求めていく考えです。