また教員向けの研修も行い、子どもたちにどう「性」を伝えていくべきなのか、教える側も考えます。

▽思春期保健相談士・和田なほさん
「子どもが何か困ったことがあったときに相談してもらえる大人になるためには、ちゃんと真面目に向き合うしかない。聞かれたことに誠実に答えていくしかない。性について話しづらい、やりづらい、本当はやりたくないという大人側の気持ちも私は受け止めたいけれども、子どものためにちゃんと伝えていこうという気持ちを子どもに見せることが一番大事」

和田さんは、子どもたちに正しい性教育をしていくためにも、まずは大人の意識を変える必要があると伝えます。

▽小学4年生の担任
「素直に性に興味を持っている子どもたちは結構多いと思いますので、子どもたちの意見の中から性について僕たちに指導できることって何かなというのをまずは先生方と話し合って、その中でどういった形で子どもたちに伝えていけるかということから始めるのが大切なのかな」

▽小学2年生の担任
「学習指導要領にはこの言葉は使わないとかあったりもするので、どうやって伝えたらいいんだろうというのがあったので、嘘をつかない、誤魔化さないというのがやっぱり大切だと思った」

性の授業に参加した子どもたちもたくさんの学びがあったようです。

▽6年生の児童
「嫌なことがあったら信用できる人たちに相談していいとわかりました。自分の身体は自分のものだからこれからもし触られてきたりしたら抵抗しようと思いました」

▽6年生の児童
「もっと大切にしようと思いました」

ー何を大切にしようと思った?
「自分の体のこととか周りから嫌なことされたりしても、自分を大切にしていこうと」

大切な人や自分自身を守るために何が必要なのか、性教育の現場もいま変わり始めています。

<記者MEMO>
「赤ちゃんはどこからくるの?」と子どもに聞かれて答えに困ったという親御さんは多いと思いますが、子どもの性に対する純粋な疑問に対して嘘をつかない、誤魔化さないということが何より大切なんだと私自身も学びました。

性教育は少しずつ進んできているとはいっても学校によって差はあり、まだ課題も多く残っています。自分や周りの人を大切にするために子どもたちが平等に正しい性の知識を学べる環境が必要だと感じました。(取材:仲田紀久子)