上空で旋回し戦地へと赴いた垂井大尉 戦地から届いた手紙には…

(垂井長治さん)
「飛行機でなんか近くを飛ぶことがあって、その時には家の上を二回ほど旋回してびゅーと行ってくれていたと」

垂井大尉が戦地のニューギニアに赴く際、美咲町の空を一機の飛行機が旋回したといいます。

(垂井長治さん)
「戦地に着いてから、この前旋回したのは僕だということを手紙に書いて送ってくれていたと」

戦地から内地の妻へと届いたいくつもの手紙。そこには遠い異国の地で愛する妻を思った心情が記されていました。

「見渡す限りの大海原、雨季を明けた南海は空に雲もない真夏の陽が再び本格的の暑さがやってきました。・・・・・今日はこれにてくれぐれもお元気で」

しかし、1944年。垂井大尉は戦闘で機体を失い、徒歩で転進していたところアメリカ軍の戦闘機に上空から撃たれたといいます。

突如、届いた戦死の知らせ。妻のもとへ遺骨は帰ってきませんでした。

ところが…。

(垂井長治さん)
「こんなことになるとは夢にも思っていませんでした。残骸を集めて、大きな飛行機をこしらえて…これはほんと宝物のように思います」