IOC会長「オリンピックがあらゆるデモの見本市に」
藤森祥平キャスター:
オリンピック憲章の第50条では、政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じています。
IOCは、会場や選手村や表彰式など、政治的なメッセージやジェスチャーは認められないとしています。いかなる主義・思想の宣伝も身体や競技ウェア、アクセサリーに表示してはならないとされています。
IOC バッハ会長
「オリンピックがあらゆるデモの見本市になり、世界を分裂させる」
また、競技よりも宣伝活動をメインに参加する選手が出てくる可能性もあると指摘があります。
小川彩佳キャスター:
オリンピック憲章の中で、政治的メッセージの発信が明確に禁じられている中、今回の大会で政治的、人種的主張を選手たちが行うという場面がありました。
日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
オリンピック自体が、古代ギリシャでやっていたときも、近代オリンピックでヨーロッパで再開したときも、戦争している国同士が集まって、戦争を一旦止めて、競技で戦うという状況で作られたものなので、いろんな国があるわけです。
「みんなで集まってやろう」ということを最優先するたてつけで作られているので、こういうルールが使われています。
ただ、政治的、宗教的、人種的、に関して、例えば女性の参加を認めていないのは宗教的とは言えません。イスラムの国でも女性チームが出ています。アフガニスタンだけが特殊だと思います。
国以前に、性差別や人種差別などに関わることは、(第50条には)「当たらない」としていくべきではないかと思います。
ルールを守る日本人は「ルールだからしょうがない」と言うだろうが、ルールは長い間かけて変えていかなければいけないでしょう。