現代の戦争の姿を一変させたと言われる「ドローン」。戦場でその音を聞くことは恐怖でしかないと、多くの兵士たちが証言しています。
一方で、離れた安全な場所からドローンを操作する「ドローンパイロット」は、一体どのような感情で攻撃を行っているのでしょうか。
ある者は深刻なPTSDを患い、心の不調を訴える。その深刻な現状が浮かび上がります。

戦場で「ドローンに追跡」される恐怖

ウクライナの首都キーウ近郊に、戦争で心を病んだ人たちが通う、クリニックがあります。そこで、現役の兵士に話を聞くことができました。

ウクライナ軍兵士 ブラドさん
「ロシアのドローンに追いかけられたことがあります。ピックアップトラックで移動している時に、彼らのドローンが私たちを追いかけてきたので、機関銃で撃ち落としました」

最前線で戦う兵士の多くは、何かしらの恐怖を抱え、苦しみながら戦っている。そう語る、ブラドさんの恐怖とは…

ウクライナ軍兵士 ブラドさん
「私はドローンの音が嫌いです。飛んでいる時の音は死にたくなるような‥とても不快な音です。あの音を聞くと、どこかに隠れてうずくまりたくなります」

羽の音は、ドローンが近くにいる…つまり、殺される直前のサイン。その恐怖は、前線で戦う兵士の心を、むしばんでいるのです。