負傷して歩けなくなった兄 本当の最期は…

ゲリラ戦で命を落とした少年は160人。 中には負傷して戦えないという理由で、上官に殺された少年兵もいたという。
16歳で入隊し、亡くなった高江洲義英さん。
弟・義一さんが、兄の本当の最期を知ったのは、終戦から70年経ってからのことだった。
洲義英さんの弟 義一さん(86)
「仲泊さん(同僚の少年兵)の証言によってでした。銃殺されるのを見たと」
負傷して歩けなくなった義英さんは、軍医によって銃殺されたという。
間近で見たという元少年兵の仲泊栄吉さんは、役所が行った聞き取りでこう答えている。

仲泊栄吉さんの証言
「拳銃でやられた。(野戦)病院のはしの方。毛布かぶしてね。一発やってから、当たらないわけ。そのあと、もう一発やってね。何も言わなかったですよ、軍医は」
ーー本当だったら、けが人を治さなきゃいけない軍医が人を殺したことについてはどう思いますか?

義一さん
「『捕虜になるな』ということ、捕虜になってばれてしまうということでしょ」
「人間の尊厳・生きる幸せが保障されていなかった」