グラウンドで、アルプスで-

それぞれの夢を叶える、1度きりの舞台に立ちます。

先発マウンドに立ったエースの田崎は、大阪桐蔭の上位打線から連続三振を奪うなど、上々の立ち上がり。しかし、3回、4回に失点を喫し、興南は追いかける展開を強いられます。

大阪桐蔭戦 興南は3回、4回と失点

それでもアルプスからは、興南の吹奏楽部が市立尼崎の力を借り、多彩な曲で選手たちを鼓舞します。

▽田崎颯士の父・盛斎さん
「誇らしいというか、夢が叶って良かったなと思っています。最後まであきらめず思い切って頑張ってほしい」

大阪桐蔭打線を相手に、中盤立ち直っていた田崎でしたが、7回。再びピンチを招くと、ここで、幼馴染の金城にボールを託します。

▽マウンドを託した田崎颯士 「ごめんなとひと言かけて、ボールを渡しました」

▽後を受けた金城勇希 「颯士にはごめんと言われたんですけど、自分がしっかり抑えてチームに流れを持ってくる気持ちで、マウンドに上がりました」

7回に田崎から金城へ 幼馴染が継投

思いを受け取った金城は、気持ちのこもった投球で追加点を許さず。味方の援護を待ちます。

最後まで、点を取ることはできませんでしたが、アルプスから送られる大応援に、
選手たちも全力プレーで応えました。

最後まで全力プレー

▽志良堂亜美さん
「(甲子園で)吹奏楽部が活動出来たのがすごくよかった」
「一生忘れない思い出になったと思います」

▽田崎颯士
「仲間に恵まれた。今まで、勇希と一緒に野球やってきて一番いい思い出になったなと思います」

▽金城勇希
「保育園からずっと一緒で、高校に上がる際も、甲子園に行こうなと話してきたので、ここに来られて嬉しいです」

甲子園での応援は「一生忘れない思い出」

憧れの甲子園球場で、過ごした夏。

惜しくも初戦突破はなりませんでしたが、それぞれに、かけがえのない思い出を胸に刻みました。(取材 片野達朗)