九州や四国地方を襲った最大震度6弱の地震を受け、気象庁は初めて「南海トラフ地震臨時情報」を発表しました。
今後1週間ほど最大震度6弱程度の地震に注意が必要とのことです。
お盆休みを前に、私達はどのような備えをする必要があるのでしょうか?

南海トラフ 初の臨時情報

8月7日午後4時43分頃、宮崎県の日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生しました。
震源の深さは31キロ、マグニチュードは7.1(推定)となっています。
現在は解除されていますが一時津波注意報も発表され、最大で50センチの津波が観測されました。

気象庁は、「南海トラフ巨大地震発生の可能性が平常時に比べて相対的に高まった」として、『南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)』を発表しました。

筑波大学 八木勇治教授:
そもそも『南海トラフ地震臨時情報』は捉え方が非常に難しい情報だと思います。
出す基準により本当に危ないときもありますし、比較的リスクが低い場合もあるというふうに、濃淡が大きいことが情報として難しいです。

鍵となるのは震源の場所です。
今回の震源地の日向灘は、南海トラフ巨大地震の想定震源域に含まれています。

筑波大学 八木勇治教授:
この地域には莫大なひずみが溜まりつつあることは間違いありません。それは様々な観測で確かめられています。その中でも「大きくひずみがたまっている領域」があり、そこではいずれマグニチュード8クラスの地震が発生すると考えられています。
ただ、今回発生した日向灘は「大きくひずみがたまっている領域」からはやや離れた領域にあります。

『南海トラフ地震臨時情報』の流れ

地震発生の5~30分後に南海トラフ地震臨時情報が調査中だと発表。
その後有識者により評価検討会が行なわれ「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」かを検討します。
今回は「注意」が発表されました。

筑波大学 八木勇治教授:
「巨大地震警戒」はマグニチュード8クラスの地震が起こって割れ残りがあるときになります。
一方で「巨大地震注意」は、例えば紀伊半島沖などの東南海・南海で震源となる地域の近くで発生した場合も、今回のように日向灘などで発生した場合も同様に注意が出るということになります。

ーー今回検討委員会の出した「注意」は妥当だという見解ですか?
筑波大学 八木勇治教授:
ルールに従えば出さざるを得ない。要するに震源域でマグニチュード7の地震が発生したときには注意を出すという決まりになっていますので、それに従ったと考えています。