気象庁は、8日午後4時43分ごろ、日向灘で観測されたマグニチュード7.1と推定される地震を受けて、東海地方から九州地方の太平洋側で、近い将来の発生が予想される南海トラフ地震について、午後5時に「臨時情報・調査中」を発表しました。
専門家が集まり、「南海トラフ巨大地震」が起きる可能性が高まっていないかどうか調査を始めましたが、現時点で巨大地震の可能性が高まっているかどうかはまったくわかりません。
落ち着いた対応が必要ですが、仮に地震が発生した場合に強い揺れが想定されているエリアにいる皆さんは、日頃からの地震への備えを再確認してください。
東海沖から九州沖にかけての南海トラフと呼ばれるプレートの境界沿いでは、今後30年以内に巨大地震が70から80パーセントの確率で発生すると予測されていて、最大震度は7、太平洋沿岸では大津波も想定されています。

長野県内では、陸側で大きな揺れが発生した場合、飯田市、伊那市、阿南町、大鹿村で震度6強。
南信地方や木曽地域の広い範囲で震度6弱。
そのほかの大部分で震度5強から5弱の揺れが予測されています。
死者はおよそ130人から180人、全壊または消失する建物はおよそ2200棟から2300棟、特に諏訪市で液状化被害が多く発生すると想定されています。
今回、気象庁が発表した「南海トラフ地震臨時情報・調査中」という情報は、南海トラフ周辺でマグニチュード6.8以上の地震が起きた場合や、東海から四国に設置された地下の岩盤の伸び縮みを監視する「ひずみ計」で普段と違う変化が観測されたときなどに発表されます。
臨時情報が出されると、気象庁では、地震の専門家が集まり、巨大地震が発生する可能性が高まっていないかどうか、評価を行います。
そして2時間後をメドに評価結果か途中経過が発表されます。
県は、「臨時情報・調査中」の発表を受け午後5時に警戒対策本部を設置し、情報収集や県民などへの広報を行うことにしています。

また、県の南部など34市町村は、南海トラフの「地震防災対策推進地域」に指定されています。
岡谷市、飯田市、諏訪市、伊那市、駒ヶ根市、茅野市の6つの市にSBCが取材したところ、いずれも臨時情報・調査中が出された際には関係する職員が参集し、情報収集や住民への広報などを行うとしています。
気象庁の検討会による評価結果がまとまると、次の臨時情報として、巨大地震警戒、巨大地震注意、調査終了のいずれかが発表されます。
「警戒」の場合、マグニチュード8クラス以上の地震が1週間以内に発生する頻度は、十数回に1回程度、「注意」の場合は数百回に1回程度とされています。
「警戒」が発表されたら、迅速な避難が難しい方は1週間程度避難を、それ以外の地域の方は避難の準備を整え、状況によっては自主的に避難するようにしてください。
「注意」が出た際は、地震への備えを改めて確認し、必要に応じて自主的な避難をお願いします。
今回の臨時情報は、8日午後に日向灘で観測されたマグニチュード7.1と推定される地震を受けて、発表されたものです。
今後の情報に注意してください。