リニア工事に伴なう生態系への影響などを議論する静岡県の専門部会が2024年8月5日に開かれ、「代償措置」について議論しました。委員からは「初めての具体的な議論ができたと思う」と意見があがりました。
<森貴志 副知事>
「自然環境は影響が生じてからでは回復するのが極めて困難。代償措置の検討には長い時間がかかるという認識もある」
静岡県庁で開かれたのは、リニア中央新幹線のトンネル工事に伴う南アルプスの生物や植物などへの影響と対策を議論する県の専門部会です。
8月5日の会議で、県はJR東海に対して影響が回避できない場合の具体的な「代償措置」を提案するよう求め、リニア工事で損なわれる南アルプスの自然環境と同等以上の代償措置が事業者の責務だとしました。
委員からは、代償措置の考え方や回避・低減措置と並行して検討することについて意見が上がりました。
「非常に大きなところとしては、代償措置についての初めての具体的な議論ができたことだと思う。委員から提案したことについて、JR東海側は基本的に同意いただきましてその方向性で進めていく」
JR東海は、今後生態系への影響について具体的な対策や代償措置などを示す「管理フロー」を作成していく方針です。