ウクライナ国立バレエ団「キエフ・バレエ」。旧ソ連時代には3大劇場の1つに数えられた「ウクライナ国立歌劇場」に所属していて、150年の歴史を持つ世界的なバレエ団です。しかしロシアのウクライナ侵攻を受けて団員たちはヨーロッパ各国に避難。実質活動停止になってしまい、恒例だった日本公演も開催が危ぶまれていましたが、なんとか開催できました。取材班は、開催実現のカギを握った人物を取材しました。一体どんな苦労があったのでしょうか。

軍事侵攻で「キエフ・バレエ」の団員たちが散り散りに

 華麗な舞を見せるバレエダンサー。ウクライナ国立バレエ団「キエフ・バレエ」の公演です。キーウの国立歌劇場を拠点に活動していて世界的な人気を誇ります。日本でも数多く公演を重ねてきました。
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 ところが今年2月、ロシアが突然ウクライナに軍事侵攻し、ウクライナの人たちの暮らしは破壊されました。バレエ団も例外ではありませんでした。戦時下のため劇場は一時閉鎖され、公演も一時、一切できなくなりました。
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 それだけではありません。120人いたバレエダンサーのうち90人が国外に避難せざるを得なくなったのです。団員たちは散り散りになってしまいました。