「支配」が招く誤った「有能感」

長年にわたって被害者を苦しめることから「魂の殺人」とも呼ばれる性犯罪。

「一般的に性犯罪、性暴力というのは、性欲を満たすことよりも、性の形を使った被害者の支配が目的といえるものだ。脅したり暴行したり、薬や酒を悪用したり、抵抗を封じ込めるために用いられる方法は様々だが、とにかくその目的は同様だ」

「性暴力と支配と服従、この場合、相手を自分の思うままにできることが、加害者にとっての目的達成となる」

藤代教授が指摘する。

「そして条件が揃った場合、加害者が意図していなくても被害者を支配できてしまう。家庭内という特殊な条件は『緻密な犯行計画がなくても支配』できる環境にあるといえる」

今回の事件の可能性についても触れる。

「例えば、加害者が、自分にあまり自信の無い人物だった場合、子どもをコントロールすることで得られた『有能感』に取りつかれてしまうかもしれない」