偽りの「愛情」 そしてごく身近に存在した異様な犯行の「タネ」

「被告となった父親も、最初は純粋に愛情表現だったのかもしれない、いきなり性暴力とはならないだろう。当初は、被害者の身体を『スキンシップ』のつもりで触ったのかもしれない。しかし次第に、嫌だとは言えない被害者を、自分が意のままにコントロールできるという感覚を持った可能性がある」

欧米など一部の国では、子どもへのスキンシップ自体が虐待とみなされる可能性もあるのだという。

「父親はそれを『愛情』と表現するかもしれないが、もちろん許されない性的虐待だ」

繰り返された、父親による娘への性行為。しかもそれは「愛情表現」に端を発したものであった可能性も見えてきた。

日常からは遠い世界の出来事のようにも感じられる異様な犯行の「タネ」は、家庭内というごく身近な閉鎖環境の中に存在していた。

「ただ、とにかく性犯罪の結果は重大なことが多く、被害者の抱える傷は重い」

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【性犯罪・性暴力被害などの相談窓口】

▽性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(内閣府男女共同参画局)
#8891
▽性犯罪被害相談電話(警察)
#8103
▽女性の人権ホットライン(法務局・地方法務局)
0570-070-810(平日午前8時30分~午後5時15分
▽子どもの人権110番(法務局)
0120-007-110(平日午前8時30分~午後5時15分)
▽児童相談所
189

※いずれも全国共通番号で、最寄りの窓口などに繋がります。

前編中編・後編のうち後編)