イチゴで育てた「ストロベリーサーモン」の強み

そもそも、サーモンは「白身魚」。餌として食べたエビやカニなどの色素が蓄積して身がオレンジ色になるため、養殖の場合でも食べるエサによって身の色が変わります。

例えば、長野県で養殖されている「信州サーモン」と「シナノユキマス」。この2つ、見た目も味も全然違います。

信州サーモンは、鮮やかなオレンジ色の身。そのお味は…

THE TIME,マーケティング部 原千昌部員
「脂がのっていて、まろやかなコク。ただ後味はさっぱりしていて美味しい!」

一方の、「シナノユキマス」。身の色はタイのように真っ白で、味も少し変わっています。

THE TIME,マーケティング部 原千昌部員
「口の中に入れた瞬間は白身魚のあっさりした味わいなんだけど、後味はサーモン特有のトロッとした脂身がある。えぇ〜これ不思議」

さらに、『日刊水産経済新聞』佐々木さんが注目しているのが、栃木県の「ストロベリーサーモン」。
今年養殖が始まったばかりで、まだ一度も出荷されていませんが、養殖されている場所が変わっているんです。

その場所は…宇都宮市にある白沢浄水場。

「宇都宮市の水道水が安心安全で美味しいことを、より多くの人に知ってもらうPR事業として養殖をはじめた」とのこと。
宇都宮市の水道水は上質な地下水を使用していて、浄水場は水温を保ちやすく養殖に適しているといいます。

そして、こだわりは水だけでなく、やはり餌にも!
栃木名産・スカイベリーを丸ごとすり潰して餌に混ぜているんです。

宇都宮市上下水道局 関口祐樹技師
「イチゴに含まれるビタミンCなどがサーモンの免疫力向上に繋がったり、ストレスへの耐性が付いたりと、より健康に育つ」

実は、集団で育つ養殖ではストレスや感染症のリスクがあり、生存率は8割ほどだといいますが、ストロベリーサーモンは、イチゴパワーで100%元気。
まだ誰も味わっていないという宇都宮の新名物は、11月の初出荷を予定しています。