「性交については一律に教えるものではない」はどめ規定

 ただ、こうした性教育について、大石さんは「受けられるかどうかは“運次第”」だと言います。

 (大石真那さん)「学校によって外部講師を呼ぶか呼ばないかも違ってきますし、外部講師として学校に行っても話せる内容が学校によって違う」

 その背景にあるのが、「はどめ規定」です。日本の教育課程では、小学5年の理科で、生命の誕生として受精の仕組みを学びます。しかし、学習指導要領には「人の受精に至る過程は取り扱わないものとする」と書かれています。

 また、思春期の身体の変化や妊娠について学ぶ中学1年の保健体育の学習指導要領には「妊娠の経過は取り扱わないものとする」と記載されています。つまり、受精や妊娠の前提となる性交については一律に教えるものではないというのです。これが、通称「はどめ規定」と呼ばれています。

 (大石真那さん)「はどめ規定があるからこそ先生も言いたいけど言えないところがあるので、(はどめ規定が)ないほうが子どもたちがきちんと知りたいと思ったときに知れる環境が整うんじゃないかと思います」