「夫(未届)」の記載は許されない?総務省の見解
しかし交付から2月後、総務省は大村市に対し、「実務上の支障をきたすおそれがある」との見解を伝えてきた。
松本総務大臣(2024年7月9日会見):
「各種の社会保障の面では法律上の夫婦と同じ取り扱いを受けている事実婚の方々について『夫(未届)』『妻(未届)』という続柄が用いられてきた」「事実婚の方々の続柄と、今の段階では受けていない方々の続柄を同一にいたしますと、住民票の写しの続柄のみで、例えば各種社会保障の窓口などで適用の可否を判断することができなくなる」
つまり、異性カップルと同性カップルは「社会保障」の面で同じ権利が認められていないのに、表記を同じにしたらその区別がつかなくなる、というのが総務省の見解だ。
司法でも分かれる判断
憲法24条2項は「婚姻は両性の合意のみに基いて成立する」と規定している。ことし3月、札幌高裁は同性間の結婚について「異性間の場合と同じ程度に保障していると考えるのが相当である」とし、全国の高裁では初の「違憲」判断を示した。
同性婚をめぐっては全国5都市で同様の裁判が行われ、判断が分かれている。
【憲法14条または24条に対して】
・札幌地裁:違憲(14条)札幌高裁:違憲(14条、24条1項・2項)
・東京地裁1次・2次:違憲状態(24条2項)
・名古屋地裁:違憲(14条、24条2項)
・大阪地裁:合憲
・福岡地裁:違憲状態(24条2項)