「牛のげっぷ」は温室効果ガスの発生源の一つ。餌を変えることで抑制する取り組みが本格化しつつある。「シリーズSDGsの実践者たち」の第34回。
メタンガスを排出する「牛のげっぷ」
全世界で排出される温室効果ガスの中で、大半を占めるのが二酸化炭素。その次に多いのがメタンガスで、温室効果ガス総排出量の約5%を占めると推定されている。メタンの主な排出理由の一つが、牛のげっぷだ。
牛には胃が4つあり、1つ目と2つ目の胃の中には微生物がいる。これらの微生物が食べた飼料を分解し、発酵させて、エネルギー源として使える形に変えていく。この過程で二酸化炭素や水素などのガスが発生し、水素は胃の中にいるメタン生成古細菌という微生物に利用されてメタンガスとなり、呼気と一緒に出てくる仕組みになっている。
牛のげっぷに含まれるメタンガスの抑制は、国内の大学や研究機関などで研究中だ。その中で、神奈川県畜産技術センターでは、地元にあるものを餌にすることでメタンガスの抑制に取り組んでいる。

