「接戦になるほど四球は怖い」
―――7日の9回裏の攻撃を振り返りますが、能見さんは、9回表にリリーフの桐敷拓馬投手が三者凡退に抑えてまずリズムを作ってくれたということですね?
「岡田監督は投げさせる予定はなかったって言ってたんですけど、1点差になって追い上げムードの中で、やっぱり次の回をゼロに抑えてほしいってなると、一番適任の桐敷投手。これはね、桐敷投手もその辺はわかってマウンドに上がっているんですよ。逆転につながる可能性があるっていうところを桐敷投手がしっかりとその役目を果たしてくれたっていうところが、まず一歩目になりますね」
―――そこから9回裏の攻撃。4番の大山悠輔選手がフォアボールを選んで出塁。接戦になるほどフォアボールは怖いもののようですね?
「これは僕も経験ありますけど、やっぱりね、許してくれないんですよ、フォアボールって。ヒットでランナーが出たときに、もしかしたらゼロになる可能性ってすごく高いんですけど、フォアボールでゼロで抑える可能性の方がだいぶ低くなるので、四死球の怖さっていうのは接戦になればなるほど許してくれないですよ」
―――5番の佐藤輝明選手は見逃しの三振でしたが、6番の前川右京選手がヒットでつないでチャンス拡大。このヒットがDeNAにプレッシャーを与えたということですね?
「佐藤選手が三振しているので、ちょっと一つ落ち着くんですよ。でも前川選手がヒットを打ったことによって得点圏にランナーが行って相手のバッテリーにプレッシャーをかけたんですよ。なのでここのヒットはめちゃめちゃ大きかったです」
―――その後、7番の梅野隆太郎選手がデッドボール、小幡竜平選手がピッチャーゴロで2アウト満塁となって、代打の原口文仁選手がタイムリーヒットを放ちました。「デッドボールの後のインコースは投げにくい」能見さんとしてはここがポイントだったと?
「原口選手もちゃんと見てるので、自分がどこで代打にいくのかもわかってますし。DeNA側はランナー1・2塁の梅野選手の場面で、ゲッツーを取りたくてインコースに行ったんです。でもピッチャーにプレッシャーがかかって結局、デッドボール。満塁でインコースにもう1回投げられますかって言ったら、投げられないんですよ。なので、原口選手はインコースは捨てたと思います。外のボールを狙い打ちという形です」