貼るだけ!“心臓のばんそうこう”

弱った心臓に心筋シートを移植する実際の手術映像があります。
心筋シートを容器から取り出し、動いている心臓にペタッと貼るだけ。
はがれてしまわないか心配になりますが、澤先生は次のように解説します。
大阪大学 澤芳樹 名誉教授
「ノリのようなタンパク質が発現して(心臓に)15分程度でくっつくんですね。
だいたい半日くらいすると(心臓からシートに)血管が生えてくるんですね。
その血管を通して、いろんな増殖因子とか、心臓が元気になる物質を分泌する。
そうすると、心臓の方が元気になってくる」

手術からおよそ3か月で心臓は回復。はがす必要はありません。
2020年から治験がはじまり、これまで8人の患者を救った“心臓のばんそうこう”。
そのうちのひとりに話を聞くことができました。
心臓の左側の機能が低下した状態だったという男性。
手術前は、肩で息をするくらいつらい状態だったといいます。
治験に参加し心筋シート“心臓のばんそうこう”3枚を貼る手術を受けました。すると・・
心筋シートの移植手術を受けた男性
「今は趣味のゴルフを普通にフルで回っても問題ない。違和感は全くないです」
肩で息をするくらいつらい状態だった男性が、力強い言葉で語ってくれました。
大阪大学 澤芳樹 名誉教授
「薬を投与したり、バイパス手術をしたり、その治療が届かない部分をこれまでなかった方法で助ける。そういう治療法なんですね」