■”緩和”で海外旅行容易に 3日以内なら”出国前の証明”も有効
8月15日、厚生労働省は、海外から日本へ帰国する際に必要となる検査証明書(陰性証明)の運用を見直しました。
これまでは1泊2日の旅行など、短期の旅行や出張でも、帰国前に渡航先の国でPCR検査などを受け、検査証明書を取得する必要がありました。現地で検査施設が見つからないケースや迅速に結果が出ないケースなどもあり、短期海外旅行の負担になっていたのです。
これからは渡航先を出国する72時間以内に検体を採取したものであれば、日本に帰国する際に有効な検査証明書として取り扱うことが出来るようになったのです。
つまり、日本を出国して帰国するまで、72時間以内の海外旅行であれば、出発前に日本国内で検査証明書を取得するだけで済むことになります。
日本からの韓国へのビザなし旅行が期間限定で再開されていることもあり、韓国旅行を専門に扱う旅行代理店からは、歓迎の声があがっています。
グローバルツアー・ジャパン・南起榮社長
「(検査が)1回減っただけでも2人で行く場合は1万円ずつで2万円以上の節約になるし、現地に用事があっていく人たちも、かなり負担は減る。ものすごく今、行きたいお客さんが多くて、かなり問い合わせが多いですね」
■8月17日も15県で過去最多 感染者「全数把握」見直し検討
水際対策の仕組みが変わったからといって、日本での感染状況が改善されているわけではありません。東京都が8月17日に発表した新規感染者は2万9416人。
全国では、23万1499人と、6日ぶりに20万人を超えました。愛知や熊本、鹿児島など、15の県で過去最多を更新しています。
(8月17日午後3時半ごろ)
加藤勝信 厚労大臣
「1週間単位の数字を見ていると、ちょっと下がったようにも見えますが、お盆の時期ということもありますし」
感染収束が見通せない中、厚労省では加藤大臣と専門家らの意見交換が行われました。専門家からは、医療機関が全ての新型コロナ感染者を保健所に届け出る「全数把握」の見直しについて意見が出たといいます。
(7月28日東京江戸川区・千葉クリニック)
先日、都内のクリニックはコロナ患者の情報をシステムに入力するための作業に追われていました。
千葉クリニック院長
「これから(陽性者)27人分を合間に書いたりというのをする。診察が終わってから少ない時で1時間、多い時は2時間かかります」
患者数が多く、作業が追い付かないときは手書きで保健所にFAXしていると言います。「全数把握」を巡ってはデータ入力に膨大な時間を取られ、医療現場を圧迫している実態があるのです。
8月17日、加藤厚労大臣を面会した分科会の尾身茂会長は…。
(8月17日午後5時前)
新型コロナ分科会 尾身茂会長
「全数把握を徐々にやめるんだったら、どうやったら感染のレベルを比較的正確にモニターできるかという仕組みが必要ですよね。それについての検討はなるべく早くやった方がいいということは多分、加藤厚労大臣もそういう感じだった」
専門家からは、一部の医療機関で感染状況を把握できる「定点観測」に変えるべきとの指摘も出ていて、厚生労働省は見直しに向けた検討も始めています。