《言葉遣いが気に入らなかった。女子高校生を呼び出し、謝罪を求めたが失礼な態度を取られた》

内田容疑者は、19歳の女らとともに、女子高校生を車に監禁し、留萌市から旭川市へ。移動する途中、女子高校生に暴行も加えていました。

内田容疑者の同級生
「(内田容疑者が)やんちゃして、夜までワァ―と騒ぐことは想像できるが、他人に迷惑かけるような犯罪、人の命を奪うまでいってしまうイメージはまったくなかった」

 荒木颯太記者
「週末には、若者で賑わう旭川の繁華街です。内田容疑者は、この辺りでよく知られた存在だったということです」

内田容疑者は、旭川の歓楽街“3.6街(さんろくがい)”で、後輩を引き連れ、飲食店に出入りする姿がよく見られていました。

その中の1人とみられるのが、内田容疑者が“舎弟(しゃてい)”と呼ぶ19歳の女でした。

内田容疑者が“舎弟”と呼んでいた19歳女の同級生(小中学校)
「(19歳の女が)小学校高学年のときに、友だち何人かと遊んでいて、1人と喧嘩して、ムカついて包丁出して、脅したのか、突きつけたという話を聞いた」

内田容疑者と19歳の女は、女子高校生を車で連れまわした後、橋から転落させ、殺害したとみられています。

内田容疑者は、次のような趣旨の供述をしているといいいます。

《橋から落ちたかどうかは知らない。置いてきただけだ》

捜査関係者によりますと、内田容疑者は、殺人を否認する趣旨の供述をしています。

一方で、事件後、複数の友人に『高校生は帰った…』などとメッセージを送信していて、事件の隠ぺいを図ろうとした可能性も窺えます。

“神居大橋”の上で、いったい何があったのか…まだ多くの謎が残っています。

■《事件現場》

旭川郊外の景勝地「神居古潭」で、女子高校生が、内田容疑者らに神居大橋の上から、石狩川に落とされ殺害されたとみられています。

捜査関係者によりますと、内田容疑者は“橋に置いてきただけ…”と、殺人容疑を否認しています。

元検事で、弁護士の中村浩士さんに解説してもらいます。

 現場の神居古潭は防犯カメラがない、そして目撃証言もない…こうした状況ですが、どう殺人を立証するかがポイントになるかと思いますが、いかがでしょうか?

《元検事 中村浩士弁護士》
・殺害の疑いで逮捕されているが、殺意を持って突き落としたなどして…という証拠が必要で、共犯者の自白、あるいはスマホに緊迫した現場の状況が撮影されているかがないと、非常に立証が難しい事件だと思う。

・誤って転落したのか、揉み合っているうちに落ちたのか、あるいは亡くなったと思って突き落としたのか…それとも、殺害しようとして突き落としたのか。証拠上、こうした状況が不透明となると、殺害行為の立証のハードルは、とても高いと考えられる。

・溺死という死因がはっきりしているとすれば、それ以外の要因は考える必要がなくなるが、橋からどのように落ちたのか?誤って落ちたのか、殺意を持ってなのか…あるいは、それ以外の原因なのか。こうしたことは不透明のままと言わざるを得ない。

・現場の状況を語ること人物が、内田容疑者と共犯の19歳の女しかいないため、供述証拠が極めて重要になってくる。

・SNSでのトラブルをきっかけに、憎悪を募らせて殺意を抱くことに向かっていった…その過程としては、分かりやすい積み重ねはあると思うが、殺意を持って、橋の上から突き落としたのか。そこには、もう一段階、立証のハードルがあると思う。

・ご遺体から、ある程度、殺害行為の対応が推認できれば…ということも考えられるが、溺死ということから推認が難しいことも考えられる。