若い世代の献血離れに危機感

 輸血をめぐる問題は実は、遠い離島だけの話ではありません。大阪市内の献血施設。ここには毎日200人ほどが訪れ、献血を行っています。

 (献血者)「若いときから献血していたので。年いってもまだできることだから」
 (献血者)「2、3年前に子どもが病気になったときに輸血が必要になったことがある。いつ自分もなるかわからないし、血をもらうときが来るかもしれないから、そのための準備」

 大阪府内の献血者数はここ20年でほぼ横ばいですが、日本赤十字社の担当者は危機感を募らせています。

 (大阪府赤十字血液センター 仲本太郎さん)「昨年度は約38万人に献血をご協力いただいているんですが、実際に献血した人の数は約19万人で1人の人が何度も何度も協力して、なんとか現状を支えていただいている状況です」
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 大阪府赤十字血液センターによりますと、昨年度の年代別の輸血状況は、30代以上が8割を超える一方で、20代以下は2割未満です。10代~30代の若い世代の献血者数は、1997年度に31万1585人だったのが2021年度には13万5250人と、24年間で半分以下になっているのです。若者の献血離れで将来危惧されるのは…

 (大阪府赤十字血液センター 仲本太郎さん)「次の世代の方も含めて献血のご協力を増やしていかないと輸血医療の存続が難しくなるおそれがあります」
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 輸血用血液をめぐる様々な問題。人工血液の実用化は各方面から待ち望まれています。

 (県立大島病院 大木浩医師)「新しい血液製剤が開発されたりすることによって、生血輸血しなくても何とか大量出血に対応できるようになるかもしれません。今我々が欲していることは、現実に今そこで出血している人がいたらどうやって対処するのか、どうやって安全に命を救うのかということを、本土の人には意識を持っていただきたいなと思っております」
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