踏みにじられる「賠償金の支払い」立て替え制度も見送り
給付金の最低額の引き上げが実現した一方で、犯罪被害者にとっての課題はさらに残っている。それは、加害者本人に命じられた損害賠償の支払いだ。
日弁連によると、加害者から支払われた賠償金の割合(2018年)は、殺人事件で13.3%、強盗殺人事件でたった1.2%と、加害者から被害者への賠償金はほとんど支払われていないのが現状だ。今回の改正の議論の中でも国による賠償金の立て替え払いなどについて議論されたが見送られたという。
会場にいた遺族の一人で、当時小学5年生の子どもを殺害された森田悦雄さんは、加害者に命じられた約4000万円の損害賠償の支払いを判決から5年がたった今まで1円も支払われていない。民法の規定では、民事裁判で得た判決の権利は10年で時効を迎え消滅してしまう。そのため、効力を失う前に遺族は支払いを求めていくには再提訴しなければならない。
裁判費用など遺族に経済的な負担がかかる一方で、立て替え制度が見送られたことについて、森田さんは納得がいかないと話す。
「今回立て替え制度について見送られたことについては、悔しくてたまらない。こんな形で私たちの事を国は本当に思ってくれているのかと。このままでは今後、再提訴をしなければいけない中で、裁判など費用がどんどん掛かってくる。今後どんな風に対応していったらいいのかと不安になる。今後も国に制度を作ってもらえるように訴えていくしかない」














