今年5月、兵庫県尼崎市の施設で行われた講演。集まったのは犯罪で被害に遭った人や遺族たち。壇上にはある1人の遺族がいた。2021年、大阪・北新地の心療内科クリニック放火殺人事件で夫を亡くしたAさん。Aさんの夫は当時復職に向けてクリニックに通っていたが、その最中に事件の犠牲となった。

(Aさん)「私は夫から復職のめどがたったから春から働こうと思い、その話をしたいから時間を取ってくれないかと言われていた。しかし、その話を聞けないまま夫は亡くなってしまいました」

Aさんの夫は以前、国家資格を生かして正社員として働いていたが、生きづらさを感じ休職。クリニックに通いリワークプログラムを受けていた中で、事件が起きた悲しさと不安な気持ちを抱く中、夫の確認のために警察署へ向かったAさん。そこで説明を受けたのが「犯罪被害給付制度」だ。

Aさん「こんなことを国が考えていて、助けてもらえるのだという、その時に感じていた気持ちがよみがえってきた。『この制度に助けてもらえるのだな』という期待みたいなのを持っていました」