給料以上の価値を提供する環境作り
――社員の給料は高いですか?
学生の率直でストレートな質問に対しても、緒方さんは正面から受け止め、「初めはめっちゃ安かったんです。スタートアップって出資を受けて赤字を掘りながら作っていくので、なかなか給料を高く設定することは難しかった。ただ、現在は相場通りの給料を提供できるようになっている」と明かしたうえで、さらに、給料以上に大切なものがあると強調する。
「給料が高い方がいい人もいるが、私たちは面白い仕事をしたい人たちが働きやすい環境を作っている。仕事が面白いと感じる人たちだけが集まる職場が大きな福利厚生になっている」
給料の高さでなく、仕事自体の魅力やともに働く仲間の質が重要だという考え方だ。
「給料を高くしなくても、面白い仕事ができる環境を提供することで、良い人材が集まる。給料が高いから働くのではなく、仕事が楽しいから働く。そのような環境を作ることに注力しているし、そうなることが非常に幸せなことだと思っている」
緒方さんは自身が企業で働いた経験から、こう続ける。
「給料が高いってことは、それだけ高い給料払わないと人が取れないっていう意味でもある。そこで魅力を出さないといけないわけですよね。こんなこと言ったら、『どうせ払いたくないだけだろう』とか叩く人もいるかもしれないですけど、お金以外のところで魅力を出すことを努力して、伝えて、納得してもらって、たくさんいる人口の中の1%以下の限られた人たちが、来てくれたらいい話だと思う。やりがい搾取だっていう人もいるけど、やりがいをちゃんと届けられてる会社の方が少ないと思うんですよ」














