まもなく新札の発行ですね。令和初の新札ですが、それ以前もいろいろお札の切り替えはありました。多くの場合、目的の第一は「偽札の防止」です。今回は特に1984(昭和59)年「諭吉・稲造・漱石」の切り替えに注目してみました。(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

聖徳太子が消えた日

現代の中高年層にとって、かつて「お札の顔」といえば聖徳太子(厩戸王)でした。

聖徳太子のデビューは、1930(昭和5)年の百円札。

戦後の新円切り換えでも、まず千円札、次に五千円札、最後に一万円札と、最高額紙幣には必ず聖徳太子が座り、いわば「定位置」となりました。

聖徳太子のお札デビューは昭和5年の百円札でした。

憶えていらっしゃる人もまだまだたくさんいると思いますが、昭和の末期「一万円札と五千円札が同じ人(聖徳太子)」という時代があったのです。

同時代の一万円札と五千円札、今よりかなり大きなお札でした。