昭和59年までに続々偽札登場
それが一新されたのが1984(昭和59)年。背景には、コピー機の普及や印刷技術の向上により、偽札作りが楽になった、という事情がありました。
新札が出る直前の10年間(昭和49年〜58年)日本では923枚もの偽札が見つかりました。多くはコピーして色鉛筆で着色したプリミティブなものでしたが、それがけっこう本物に見えました。
また昭和57年に大分で見つかったニセ5000円札は、オフセットと凸版印刷のいいところを組み合わせて作った精巧なものでした。
顔ぶれの一新
これではまずいということで、お札を一新することになりました。
新たな肖像は、福澤諭吉(一万円札)、新渡戸稲造(五千円札)、夏目漱石(千円札)の3人です。この頃、政治家よりも学者や作家など、文化人をお札にする、というのが世界の潮流でもあったのです。
聖徳太子は政治家であると同時に文化人でもあるという立ち位置でしたが、1984(昭和59)年に新札に切り替えられ、太子は引退となりました。














