次の一手は「ミャンマー人向け野菜栽培」

就任2年目を迎え、林さんは、新たな挑戦を始めることにしました。

林さん
「手前側がモリンガ、その次がローゼル、その次にミャンマー系のトウガラシとかいろいろ植えてみます」

なんと、ミャンマー人向けの野菜の栽培です。

林さん
「これはモリンガの種。一晩水につけてあります。こっちがローゼル」

先月初旬、種をまきました。種は東京に住むミャンマー出身の妻・シーマさんが知人から譲り受けたものを持ってきたのですが・・・

林さん
「これなんの種?」

妻・シーマさん
「見せて。わかんないじゃん」
林さん
「まあ、そういうハプニングもつきものということで」

「母国の野菜を食べてもらいたい」

以前はベンチャーやIT企業で経営や事業の立ち上げに携わっていた林さん。5年間ミャンマーに住んでいたことあります。ミャンマー滞在中も、学校への寄付活動に携わったり、テレビ番組を作ったり…。とにかくいろんなことに興味をもって実践しました。近年増えてきた日本に住むミャンマー人に母国の野菜を食べてもらいたい。ミャンマーとのつながりもあり、栽培を決めました。

林さん
「追求して、ミャンマー人が喜びそうなものを作っていきたいなと」

ミャンマーの青トウガラシやパクチーなど7種類を育てる予定です。最終的には川上地区内で加工・販売までする6次産業化を目指します。

林さん
「今まではどっちかって言うとビジネスなので利益優先。今のところは周りの人との関係を作りながら地域を盛り上げる、みたいなスタンスなので、お金じゃないんですよね。そこがものすごく生きがいを感じます」

「地域を元気に」思いはひとつ

種まきからおよそ1か月。林さんが肥料をまき、山本さんがトラクターで耕します。うねも立って、ずいぶん畑らしくなりました。林さんにとって、山本さんの存在はとても大きいようです。

林さん
「正直僕がこの地域に入ってきて、山本さんみたいな方がもしいないと、相当1人でなんか変なことやってるやつだなっていう、要は地域の方の理解をなかなか得られなかったんじゃないかなと」

地域を元気にしたい思いは、山本さんも同じです。

山本さん
「仕掛けを考えるのがすごく好きな人なので、そういうのが、林さんがやったことが残るように、その手伝いをしたいなと思ってます」

畑ではミャンマー野菜のほかに「ゆめ市場川上」で売れ筋の日本の野菜も育てる予定です。

林さん
「店で野菜が足りなくなったときに、ちょっと待っててくださいって言って畑に行ってぱっと大根2、3本抜いてまた戻ってくるとかいう風にできれば面白いかなと思ってます。ミャンマー産の野菜でも日本でもここでしか作られないとか、もしくはここならではというようなキーワードで何かできないかなと思っています」

種からは順調に芽が出ていました。

林さん
「愛着めちゃくちゃわいてますよ。実ができて口に含んだら、涙流すんじゃないですかね」

必要とされて感謝されることが1番のモチベーションになるという林さん。残された任期は1年と10か月。林さんの挑戦ももうすぐ芽吹きそうです。