リニア中央新幹線の山梨県内のボーリング調査をめぐり、静岡県の鈴木康友知事は6月18日午後、静岡県、山梨県、JR東海の三者での合意のもと、静岡・山梨の県境付近の調査の実施を認めることを正式に表明しました。
<静岡県 鈴木康友知事>
「山梨県内の南アルプストンネル工事における、山梨県、JR東海、本県の3者で合意事項がまとまったことから発表させていただきます」
18日午後4時、鈴木知事が公表したのは、静岡県、山梨県、JR東海の三者の合意についてです。リニア工事の前段階で地質や地下水を調べる「高速長尺先進ボーリング」調査をめぐっては、県は、これまで地下水が山梨県側に流出することを懸念して、県境300メートル以内の調査を認めていませんでした。
しかし、2024年5月、静岡県の専門部会は「科学的な観点からリスク管理ができる」として、ボーリング調査を認める判断をしました。
山梨県内のボーリング調査は、6月7日の時点で県境から339メートルの地点まで進んでいて、6月中にも300メートル以内に達する見込みで三者は合意の締結に向け、協議を進めていました。
<静岡県 鈴木康友知事>
「本県として、県境から300メートル以降のボーリングについて、掘削を進めることに基本的に課題はないと考えています」
そして、鈴木知事は18日、三者で合意した上で、県境付近でのボーリング調査の実施を認めることを正式に表明しました。
合意事項では、静岡から山梨側に流出した水について、静岡県は所有権を主張せず、返還を求めないことを前提としています。 そして、山梨県内のボーリング、先進坑、本坑掘削工事は水の量を確認しながら作業を進めることやトンネル掘削工事などで大井川の水量が変わった場合には、水循環の回復措置を調整していくとしています。
一方、鈴木知事は県境を越える静岡県内のボーリング調査については静岡県境に達するまでに、大井川利水関係協議会の意向も確認した上で判断していく方針です。
今回の三者合意を受け、JR東海は18日、「静岡県内の地質や湧水の状況を把握することが、流域関係者の皆様の不安解消につながると考えており、早期に県境を越えて静岡県内についてもボーリング調査を実施していきたい」とコメントしています。
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