児童は「楽しい」、教員は「手探り状態」…チーム担任制のメリットとは

鹿児島県志布志市の伊﨑田小学校。児童数は65人で、各学年1クラスです。小学校では1つの学級を1人の先生が担当し、朝の会から授業、給食と、1日中一緒に過ごすのが一般的ですが、伊﨑田小学校ではどの時間も、異なる先生が担当しています。

児童
Q.担任の先生は?
「内園先生と、山下先生と、大楽先生と、西村先生」
伊﨑田小学校では2024年度から学級担任制を廃止し、複数のクラスを複数の先生で受け持つ「チーム担任制」を導入しました。その背景について、校長は…

大山昭二 校長
「小学校の教員は1人で授業をする、1人で保護者対応をする、全ての責任を負ってやるというのが基本になりますので、最終的に1人にしてしまっているのではという校長としての反省」

チーム担任制によって空き時間が生まれ、これまで放課後に行っていたテストの添削や準備などを、効率的に行えるようになったといいます。
また、精神的な負担も軽くなり、休みを取りやすくなるというメリットも。
子どもたちは…
児童
「相談しやすくなった」
「いろんな先生が褒めてくれるので嬉しいし楽しい」

Q.授業楽しい?
「はい!」
「いろんな先生と勉強できるのが楽しい」

複数人で児童を見るチーム担任制では、先生同士の情報共有が重要な課題に。
伊﨑田小学校では週に一度、子どもたちの様子や時間割などを話し合い、これまで学級担任1人に任せられていた指導方針の決定を、チーム全体で進めているといいます。
教職1年目 瀬戸山泉生 先生
「(課題が)終わってやることがない子が、フラフラと立って歩いてしまうときがたまにあるんですけど、そういう時はどういう指示をすれば…」
教職15年以上 田代皓亮 先生
「逆に分からない子たちのところに行って教えてもらう、サポートするみたいな」

教職30年以上 小田ひとみ 先生
「『終わったら立って何回音読ね』とか、そういうのをさせて、動きを入れてあげる」
行事や保護者対応の分担をどのように進めるかなど、想定される問題を書き出し、対策を考える場でもあります。

教職15年以上 田代皓亮 先生
「何もモデルがないから『どうします?』みたいなところから。まだ手探り状態なので、いい方法を自分たちで見出していけたら」