4月、楠さんは川崎市で洋食店の居抜き物件を購入し自らの手で改装しました。川崎市は輪島市に移住する2018年まで、家族で暮らしていた場所です。

楠健二さん「輪島の復興復旧がいつになるか分からないじゃん。明日になるんだったら明日戻るけど、何年単位のものじゃん。それまで働かないでいられる財力もないしさ、じゃあやるしかない。やるしかないんだよ「やりたい」じゃなくて「やるしかない」

店内には、ポスターや能登の祭りを象徴するキリコのレプリカ、食器の中にはがれきから運びだしたものも。

店の名前は輪島市の店と同じ「わじまんま」です。しかし、これまで当たり前だった家族と一緒に切り盛りする様子は店内にありません。

楠健二さん「今までいたものがいない状況でオープンする訳じゃん。ただどっか行って休みなら別だけどさ。一生、ずっと1人でやんなきゃいけないじゃん。当然アルバイトとか娘と息子は助けてくれるけども、娘たちがホールに出て客相手にして奥で女房が揚げ物でも焼き物でも作って、それでああ忙しかったねってゲラゲラ笑っておわったんだけどね。とにかく賑やかな家族だったから…」